心武会の1期生、2期生のメンバーがついに刀の基本動作練習に入りました。
刃が磨がれていないとはいえ、鉄製の刀を扱うのは、特に小学生には危険が伴います。
そこで私は、練習用として木製の刀を自作することにしました。

コーナンで購入した合板を、刀の形に沿って切り出します。

厚さ9mmと、刀身としては少し分厚いですが、まずは初期練習用としては十分です。
最初は棒切れでもいいかと思いましたが、やはり刃の向きや刀鋒(きっさき)の意識をしっかりと身につけてほしい。
だからこそ、刀の形にこだわり、刃部分の加工もしっかりと行いました。

サイズは、大(刀身65.5cm)、中(59.5cm)、小(52cm)の3種類を用意。


小学生低学年の子にもぴったりのサイズ感です。
鍔(つば)の役割も学んでほしいため、もちろん鍔も作りました。
組み立て式にしたのは、少しでもワクワクして練習に臨んでほしいという想いからです。
しっかりとヤスリをかけて表面を滑らかにし、ワトコオイルで塗装。


2度塗りで丁寧にツルツルピカピカに仕上げていきます。
しっかりと24時間乾燥させ磨き上げたら、最後に柄に包帯とテーピングを巻いて完成。


重さも重心も完璧な、我ながら最高の出来栄えです。
これで生徒達は安全に、武器を習得し始めることができます。
武術の世界では、「武器は手の延長」と言われています。
見せかけの形だけではなく、その意味、性質、武術としての扱い方、そして怖さを教えることで、初めて武器が自分のものになるのです。
だからこそ、自分の専用の武器は、しっかりと扱えるようになってから、その意味を理解してから与えます。
大切にする気持ちがあってこそ、自分の武器になるのです。
今回作った木製刀は、練習の中で壊れてしまっても構いません。
もしそれが良くない壊し方だったとしても、そこから学んでくれるなら、私は何本でも作ります。
将来、自分の専用の武器を大切に扱ってくれるのであれば、それでいいのです。
そんな想いが込められた私自作の木製刀で練習すれば、きっと上達します。
この刀には、私の武術家としてのパワーが込められていますから(笑)
少し長くなりましたが、自作の木製刀に込めた想いを語らせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。